平成24年の経審の制度改正
概要
前年の平成23年度にも大きな改正がありましたが、翌年平成24年7月にも経営事項審査(経審)が大きく改正されました。
【改正建設業法令の公布】 | 平成24年5月1日 |
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【改正建設業法令の施行】 ※経審改正にかかる部分 |
平成24年7月1日 |
この時の改正の概要は、主に次の2点です。
社会保険等未加入企業への減点措置の厳格化
社会保険などの保険未加入企業に対しては、改正前からも、その他社会性(W点)の評価項目で減点措置はありましたが、H24年7月以降は、さらにその減点措置が厳しくなりました。
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海外子会社の経営実績の評価
建設業界においても、海外進出する企業が増えてきたことに鑑みて、海外子会社の実績を、日本の親会社の実績に加味することができるようになります。
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特に「社会保険等未加入企業への減点措置の厳格化」が、重要なものとなっています。
建設業界では以前から、社会保険未加入対策として問題となってはいたものの、ここへきてそれが具体的に動き出すこととなりました。
社会保険等未加入企業への減点措置の厳格化
社会保険等に未加入の場合の減点・改正前と後のイメージ
【改正前】
「雇用保険」と「社会保険(健康保険+厚生年金保険)」の二つの項目として評価
【改正後】
「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」の三つの項目として評価。さらに減点幅拡大。
改正前は、「雇用保険」と「社会保険(健康保険及び厚生年金保険)」の2つの項目として評価されていましたが、改正後は、「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」の3つに分けられ、しかも減点幅が大きくなっています。
3つの保険(雇用保険と社会保険(健康保険+厚生年金))に未加入の場合、W点は最大で1140点のマイナス、P点換算値で171点のマイナスとなります。
ただし、W点の最低点はあくまで0点です。
W点がマイナスになることはありません。
健康保険の適用除外について
健康保険の適用除外を受け、国民健康保険組合(いわゆる土建健保など)に加入している場合は、『未加入』ではなく『適用除外』となり、減点対象にはなりません。
加味の対象となる海外子会社の経営実績
- 海外子会社の完成工事高
- 海外子会社の利益額及び自己資本額 (日本親会社+海外子会社の合算)
ただし、海外子会社の経営実績を加味するためには、国土交通省(本省)土地・建設産業局建設業課の認定を事前に受けなければなりません。
したがって、
- 本省での事前認定
- (決算変更届や経営状況分析申請)
- 許可行政庁での経営事項審査
というスケジュールになりますので注意が必要です。