平成30年の経審の制度改正
平成30年4月1日に経営事項審査(経営審査、経審「ケイシン」)が改正され、新しいルールでの運用がスタートします。厳密には、改正の告示が制定されたのは平成29年12月26日ですが、それが有効になるのが平成30年4月1日以降ということです。
今回の改正は社会保険未加入企業や法律違反等への減点措置を厳格化、地域力の強化の観点から防災活動への貢献状況の加点幅の拡大及び建設機械の保有状況の加点方法の見直しを行うものです。
平成30年4月1日経営事項審査の改正内容
その1 W点のボトムの撤廃について(社会保険未加入企業等への減点措置の厳格化)
現行制度では、「社会性等(W)の評点が0に満たない場合は0とみなす」とされているところ、これを0とみなさず(ボトムを撤廃し)、マイナス値であっても合計値のまま計算されることになりました。
・該当するとマイナスとなる項目
雇用保険未加入 |
-40点 |
健康保険未加入 |
-40点 |
厚生年金保険未加入 |
-40点 |
民事再生法又は会社更生法の適用 |
-60点 |
指示処分 |
-15点 |
営業停止処分 |
-30点 |
その2 防災活動への貢献状況の加点幅の拡大
現行制度では、「防災協定を締結している場合に15点の加点評価」とされているところ、「防災協定を締結している場合に20点の加点評価」と改めることになりました。
その3 建設機械の保有状況の加点方法の見直し
現行制度では、「1台につき加点1点」とされているところ、加点テーブルを下記のとおり見直し、少ない台数でも建設機械を保有する企業は高く評価されることになりました。(最大15点は変更なし)
台数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
点数 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
12 |
12 |
13 |
13 |
14 |
14 |
15 |
15 |
その4 建設機械の保有状況について
社会性等(労働福祉の状況)係る評価の項目である「建設機械の保有状況」について評価対象となる機種に営業用の大型ダンプ車が追加になります。
・大型ダンプ車
…「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」による届け出を行っている営業用の大型自動車(最大積載量が5トン又は車両総重量が8トンを超えるもの)のうち、主として建設業の用途に使用する車両。